光回線の工事って実際どんなことするの?
光回線を申し込もうとして「工事」と聞くと、なんとなく不安になる方は多いのではないでしょうか。「壁に穴を開けるの?」「部屋が汚れたりしない?」「どれくらい時間がかかるの?」といった疑問はよく耳にします。工事の実態を知らないからこそ、必要以上に身構えてしまう方が少なくありません。
元通信会社で7年間回線設計を担当していたエンジニアの視点から、光回線の工事内容を徹底的に解説します。結論から言うと、ほとんどの場合は思っているよりずっとシンプルで、30分〜2時間で終わります。部屋もほぼ汚れません。工事と聞くと大掛かりなイメージがありますが、実際には電話線を引くのとそれほど変わらない規模の作業です。
この記事を読めば、工事当日に「こんなはずじゃなかった」と慌てることはなくなります。これから光回線を契約しようとしている方は、ぜひ参考にしてください。事前に流れを知っておくだけで、工事に対する不安は大幅に軽減されるはずです。

光回線工事の全体的な流れ【4ステップ】
STEP1:申し込みから工事日決定まで
光回線を申し込むと、まず工事日の調整連絡が入ります。だいたい申し込みから2週間〜1ヶ月後になることが多いです。引っ越しシーズン(3〜4月)は混み合うため、1ヶ月以上かかることもあります。希望日がある場合は、できるだけ早めに申し込んでおくのが賢い対策です。
工事日は基本的に立ち会いが必要です。平日だけでなく土日も対応してもらえますが、土日は追加料金がかかる回線もあるので事前に確認しておきましょう。NURO光の場合は屋外工事と屋内工事が別日になるため、2回の立ち会いが必要です。スケジュール調整に少し手間がかかるので、余裕を持った計画を立てておくことをおすすめします。
STEP2:屋外工事(電柱から建物まで)
工事当日、まず作業員が電柱から光ファイバーケーブルを引っ張ってきます。これが屋外工事です。戸建ての場合、電柱から家の外壁まで光ケーブルを通します。電柱までの距離や周辺環境によって作業時間は変わりますが、通常30分〜1時間程度で完了します。
既存の電話線の配管を使えることが多いため、新しく穴を開けるケースは意外と少ないのが実情です。マンションの場合は、すでに共用部まで光ファイバーが来ていることがほとんどなので、屋外工事が不要で室内工事だけで済むことが多いです。その分、工事時間も短くなりマンションでは30分程度で終わるケースが大半です。
STEP3:屋内工事(建物内から部屋まで)
次に、外壁から室内まで光ケーブルを引き込みます。エアコンのダクト穴を利用するか、電話線の配管を使うのが一般的です。壁に穴を開けるのは本当に最終手段で、元エンジニア時代に設計していた頃も全体の1割以下でした。ほとんどの住宅には既存の配管が通っているため、新規に穴を開ける必要はまずありません。
室内に引き込んだら、ONU(光回線終端装置)を設置して光ケーブルを接続します。ONUは弁当箱くらいのサイズで、コンセント近くに置くことになります。設置場所は事前に希望を伝えておくとスムーズです。ルーターを置く予定の場所に近い位置にONUを設置してもらうと、配線がすっきりまとまります。
STEP4:接続確認と完了
ONUを設置したら、作業員が通信テストをして問題なければ工事完了です。あとは自分でルーターをONUにつないで、パソコンやスマホのWi-Fi設定をすればインターネットが使えるようになります。ルーターの設定が不安な方は、プロバイダーのサポートに電話すれば案内してもらえます。v6プラス対応の回線なら、ルーターをつなぐだけで自動的にインターネットに接続されるケースも多いので、設定の手間はほとんどかかりません。
戸建てとマンションで工事内容が違う
戸建ての場合
戸建ては屋外工事+屋内工事のフルセットです。所要時間は1〜2時間くらいが目安です。電柱から家までの距離が遠かったり、配管の状態が悪かったりすると時間がかかることもあります。築年数が古い住宅の場合は配管が詰まっていることもあり、その場合は作業員がルートを変更して対応してくれます。
持ち家なら大家さんや管理会社の許可は不要です。ただし借家の場合は必ず大家さんの許可を取りましょう。穴あけが必要になった場合は、作業員が事前に確認してくれるので安心です。勝手に穴を開けられるということはないので、その点は安心してください。
マンションの場合
マンションは共用部まで光回線が来ていれば、室内工事のみで30分〜1時間程度で完了します。ただし、マンション自体に光回線の設備がない場合は管理組合の許可が必要で、これが結構ハードルが高いケースもあります。管理組合の理事会での承認が必要になることもあるため、時間がかかることを見越して早めに相談を始めるのが賢明です。
VDSL方式(既存の電話線を利用する方式)の場合、速度が最大100Mbpsに制限されます。可能であれば光配線方式のマンションを選ぶのがベストです。マンションの配線方式は、管理会社や不動産会社に問い合わせれば教えてもらえます。引っ越し前であれば、配線方式を確認してから物件を決めるのも賢い選択です。

工事でよくある質問と回答
壁に穴を開けるの?
基本的に開けません。エアコンダクトや電話線の配管を使います。穴を開ける場合も直径1cmくらいの小さな穴で、防水処理もしてくれるので安心です。ただし賃貸の場合は穴あけNGなことが多いので、事前に確認しておきましょう。作業員は穴を開ける前に必ず住人の許可を取るため、知らない間に穴が開いていたということはありません。
家具を動かす必要がある?
ONUを設置する場所の周辺だけ少しスペースを空けておけば大丈夫です。大掛かりな模様替えは不要です。ケーブルの引き込み口付近に家具が密集している場合は、少しだけ移動をお願いされることがあります。50cm程度のスペースがあれば十分なので、工事当日の朝に軽く片付けておく程度で問題ありません。
工事中にインターネットは使える?
新規で光回線を引く場合、工事が完了するまでインターネットは使えません。乗り換えの場合は、新しい回線の工事が終わるまで旧回線を使い続けられるので安心です。工事待ちの間にネット環境が必要な方は、ポケットWi-Fiのレンタルサービスを利用する手もあります。最近はNURO光のように、開通待ちの期間にホームルーターを格安でレンタルしてくれるサービスを提供している回線もあります。
工事費用と無料になる条件
光回線の工事費は、戸建てで19,800〜44,000円、マンションで16,500〜44,000円が相場です。結構な金額ですよね。初めて見ると驚く方も多いですが、実際にこの金額を自己負担することはほとんどありません。
しかし、ほとんどの光回線が「工事費実質無料キャンペーン」を実施しています。毎月の分割払い額と同額が割引されるため、契約期間を満了すれば実質ゼロ円になる仕組みです。この仕組みのおかげで、事実上ほぼすべての光回線を初期費用ゼロで始められます。
注意すべきは「実質無料」と「完全無料」の違いです。実質無料は途中解約すると残債が発生します。完全無料はそもそも工事費がかからないパターンで、フレッツ光からの転用や光コラボ間の事業者変更がこれにあたります。ドコモ光は新規契約でも工事費完全無料を実施しているのが大きな強みです。途中解約の可能性がある方は、完全無料の回線を選んでおくと安心です。
工事をスムーズに進めるコツ
元エンジニアからのアドバイスとして、工事をスムーズに進めるために3つやっておくべきことがあります。これらの準備をしておくだけで、工事当日のトラブルをほぼ完全に防ぐことができます。
まず、ONUの設置場所を事前に決めておくことです。コンセントが近くにある場所で、ルーターを置くスペースも確保できる場所がベストです。できればリビングの中心に近い場所を選ぶと、Wi-Fiの電波が家全体に届きやすくなります。設置場所を決めずに工事に臨むと、作業員との相談で時間がかかることがあります。
次に、既存の配管や電話線の位置を確認しておくことです。電話のモジュラージャックがある場所は配管が通っているため、工事がスムーズに進みやすくなります。モジュラージャックの位置がわかっていれば、作業員に「ここから配管が通っています」と伝えるだけで作業効率が格段に上がります。
最後に、マンションの場合はMDF室(主配線盤)の鍵を管理人さんに開けてもらう手配をしておくことです。これを忘れると工事ができず出直しになるので要注意です。事前に管理会社に「光回線の工事で○月○日にMDF室を開けてほしい」と連絡しておきましょう。マンションの工事でMDF室の鍵が原因で出直しになるケースは意外と多いので、この準備だけは絶対に怠らないでください。


